解題 山内祥史は「解題」(『全集第九巻』90・10)において、執筆時期を『斜陽』執筆直後の昭和22年7月中旬~下旬頃と推定している。美知子夫人の「後記」(『太宰治全集15(近代文庫)』昭27・8 創芸社)によれば、『斜陽』脱稿直後に『おさん』『饗応夫人』『酒の追憶』の三編が続けて書かれたという。
参考までに解釈に関わる主な抹消跡を掲出しておく。
ノンブル11 L9〔そのうちに日本〔〔□〕の〕の無條件降伏といふ事になり、〕
ノンブル26 L10〔気まづくなり、〕
ノンブル39 L4〔間違つた事をしない〕
(安藤宏)
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