◆書誌解題◆
16 美男子と煙草
書誌情報
【原稿】
縦書200字詰 B5判 標記「筑摩書房」 全27枚
和綴1冊 題箋は原稿題名のコピー。

【初出】
「日本小説」2巻3号(昭和23年3月1日)4-7頁  (太宰治文庫所蔵)
解題
 ノンブル9以降は代筆と判断される。美知子夫人「後記」(『太宰治全集15(近代文庫)』昭27・8 創芸社)によれば、後半は編集者(前年暮、太宰と上野に同行した人物)による口述筆記であるという。山内祥史は「解題」(『全集第九巻』90・10)において、山崎富栄の日記の記述をも踏まえた上で、正月早々に書き始めたが体調を崩して口述に切り替え、1月半ばに脱稿したものと推定している。
 参考までに解釈に関わる主な抹消跡を掲出しておく。
ノンブル6 L3〔頑張つ〕 L9〔他人〕(異なる黒ペンで訂正)
ノンブル14 L4〔浮浪〕
ノンブル22 L5〔〔汽〕者〔□〕ちの中に潜〕
(安藤宏)