解題 太宰は『井伏鱒二選集』全9巻(昭23~24、筑摩書房)のうち、第1巻(昭23・3)、第2巻(昭23・6)、第3巻(昭23・9)、第4巻(昭23・11)の「後記」の執筆を担当した。そのうちの第1巻のみについての完成原稿である。
21枚のうち15枚目までは無標記の原稿用紙、16枚目から21枚目までは「筑摩書房」の標記の原稿用紙。『井伏鱒二選集』草案(資料番号31)の原稿用紙とは、いずれも種類が異なっている。山内祥史は「解題」(『全集第十巻』90・12)において、本「後記」の執筆時期を、昭和22年11月頃と推定している。(安藤宏)
|