解題 國枝元治編『新撰中等教育平面幾何学教科書』(宝文館 初版大正12年)に即した学習ノート。表紙にはタイトルの一部が書き移されている。この教科書は全5編(1 直線図形 2 円 3 面積 4 軌跡 5 比例)に入門編としての諸論を冠したもの。278頁分に附録26頁分が加わる。ノートの範囲は、諸論第4章の21頁から第1編6章中の3章73頁まで。平面幾何の定理、例題、問、解答などが丁寧に書き留められている。悪戯書きは少なく(ノート最後部(画像37)に後年のメロスを思わせる走者の図)、資料34、35など同時期の文系科目との差は歴然。裏表紙に「荒田先生講義」とあることから、大正7年10月から昭和6年3月まで数学嘱託の教員として在職した荒田長五郎教諭の担当授業だったことが分かる。(山口徹) |